太陽の熱で温められた空気が、壁の外側を通って屋根のてっぺん(棟)から抜けていくのが、本来の通気工法。上昇気流を作ることによって、水分を気化し、湿気として戸外に放出させることで、結露を防ぎ構造体の木を長持ちさせることに寄与するのです。
その空気の流れを促進させる為に、軒下にも通気穴が設けられる。(その部分は、また次回お見せしますね)そこから吸い込んだ空気が屋根の棟へと流れるのを利用して、外壁にある通気層の空気を上へと引っ張り上げる効果があるからだ。
壁の外側や屋根には、常に空気が対流する状態が出来るので、例え外壁を覆うサイディングやレンガに雨水が侵入しても、そのうち乾いてしまうのです。そんな自然の原理をうまく利用して、家は本来造られています。どこかに水が滞留するようなウィークポイントを作ったり、水や湿気が絶対侵入しないようにバリアを設けたりすると、自然は必ずそこを乗り越えてくるものです。人間がやることに絶対はありません。だから、水や湿気は侵入してくるという前提で、家づくりをしなければいけないのです。
でも、最近の家は、やたらと人工的に作られたものを施工したり、自然に対して挑戦するかのような技術を駆使するものが増えてきたように思います。つまり、人間の作り出した機械や設備に依存させようという風潮が、国の施策で推進されるようになってきたのです。
その最たるものが、室内の24時間換気。
あんなものは、室内に化学物質を持ち込まなければ、本来必要としない設備だと思う。何故自然素材で出来たおうちにまで、これを義務化するのか、私たちは理解に苦しみます。彼らは、家に持ち込まれる家具やインテリアに含まれる化学物質を排出する為と、もっともらしいことを言うが、それならそういったものを規制すればいいだけじゃないかと私は思う。
窓も開けられないような環境を作りだしたことに対して、対策を打つべきなのではないでしょうか。
化学物質を多く含む新建材で出来た最低の家を造るような会社にはいい施策かも知れないが、最高の家を造ろうと思う私たちには、不要な足かせでしかない。今の日本の建築基準法は、そんな法律です。
ちょっと、話がそれてしまいましたね。何れにしても、自然の摂理をうまく利用して自然と共生していく工夫をしていきたいものです。結露対策について、もっと知りたい方は、下記の「結露対策」のタグをクリックして下さい。