モルタル外壁の雨漏り

モルタル外壁の雨漏り

室内の梁(ハリ)の上からの雨漏りが、何年も直らないので見てもらえないかとの相談を頂き、昨日現場を見てきました。

梁のある部分の上には丁度写真左の外壁があり、この塗り壁にあったクラックを補修したり、写真のようにS瓦と外壁がぶつかる部分を鈑金でボックス状にカバーをしたりして何とか雨漏りを直そうとした跡は確認出来た。

それでも雨漏りが直っていないということは、こうした施工があまり意味をなしていないということを物語っています。それは、全てが対症療法であって、原因療法ではないというのが問題解決に至らなかった大きな要因ではないかと思います。

それはどういうことかと言うと、補修の施工が雨漏りを全て上からカバーしていくことしか考えていないのです。つまり、表面的な部分を処理することしかしていないので、雨が外壁材の中に侵入した際、その内側の構造部分に到達しないようにしようという工夫が全くなされていなかったということなんです。

北米での外装材の考え方は、外壁材や屋根材というものは太陽の日射や何か物が当たった時に構造体へのダメージを最小限にする為のもので、雨がその中へ侵入することを当たり前のことと捉えています。

ですから、中に入った後に水が内側の構造体に入らないで、外側へ流れていくか、そこで乾いてしまうかするように工夫して造るのが普通です。日本でもそれに気付いてきているビルダーは、徐々に増えているとは思いますが、まだまだその数は多くありません。

だから、この輸入住宅のように外壁の表面の防水だけで絶対雨が入らないようにするんだという考え方で日本の住宅は造られているんです。これって、原発はどんな大きな地震が来ても大丈夫だという安全神話にも共通していると思いませんか?

そう、絶対安全、絶対大丈夫なんて、絶対ないんです。万一外壁の中に雨が入っても、雨が構造体などの基本部分に影響しないように仕掛けを作るということが大切なんですね。

だって、外壁に塗ったモルタルは防水性はありませんし、柔軟性がありませんから少し家が動けば割れが入ってしまうのです。この状況は、カルチャード・ブリックのようなレンガタイルやジョリパットのような塗り壁でも同じです。

費用が掛かる根本解決をせず、最後には問題や顧客との関係を放棄するようなビルダーが続出している現状をみると、悲しいものがありますね。早い、うまい、安いは吉野家だけ?これももう古いフレーズか?(笑)

こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方や家のメンテナンスでお困りの方は、お問い合わせ下さい。

<関連記事>: 表面を繕うだけでは、解決しません (2014年12月7日)

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