お知らせ : ページ 34

ヒモが切れたら使えない

愛知県のお客様から、メーカー不明の輸入サッシに取り付けられているバランサーの調達をご依頼頂きました。

シングルハングサッシと呼ばれる下窓のみが開閉する上げ下げ窓で、そこに装着されていたチャネルバランサーの吊りヒモが切れてしまったということです。

ヒモ(糸)だけ交換すれば直るとお考えのお客様もいらっしゃいますが、バランサーは窓の左右に1本ずつ付いていますから、左右同じ長さで同じ強度のヒモを強いバネにくくり付けるのは結構大変です。

また、吊りヒモだけでなく、バネや滑車などの部品が既に錆びたり劣化したりしている場合は、更に左右のバランサーで吊り具合を合わせることが難しくなります。

ですから、どちらか一方のバランサーに不具合が出た場合は、左右両方のバランサーを新しいものに交換する必要があります。

勿論、片側だけの交換でうまくいくこともあるかも知れませんが、バネが弱った古いものを混在させればそちらに大きなストレスが掛かり劣化の進行は早まりますから、近い将来古いバランサーにも不具合が出てくるリスクは大きくなります。

もったいないという気持ちは理解出来ますが、こういう場合は2本共新しいものに交換することをお勧めします。因みに、バランサーの交換時期は15年程度とお考え下さい。

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交換部品が届きました

以前ペラウィンドウ(Pella)のケースメントサッシが開閉出来ないという記事を書かせて頂きましたが、今回開閉用のウィンドウヒンジに付いている小さな交換部品を入手しました。

ペラのデザイナーシリーズという高級バージョンにしか使われていないヒンジシューと呼ばれる白いパーツなんですが、ペラが最近デザイナーシリーズの製造や交換部品の提供を完全に止めてしまった為、メーカーからは入手困難となった部品でした。

他の輸入窓メーカーでも採用されているのを見たことがありませんし、ペラでもデザイナーシリーズ以外のケースメントサッシには使われていないといったスペシャルなパーツです。

使われているのは、建具の上下に付いているウィンドウヒンジのうち、下枠側に付いているヒンジのみ。

幸い部品メーカーから直接入手することが出来ましたが、そのうち入手困難となる可能性もありますし、小さな樹脂部品なのに価格がべらぼうに高いというものですから、早めに手に入れておくことに越したことはないと思います。

また、取付けした様子をご覧に入れたいと思いますが、これが壊れて困っている人がいらっしゃるでしょうね。

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ハード製窓の交換建具

全てが揃うまでは少し先にはなりますが、千葉県のお客様のおうちに使われているサッシの部材交換を準備しています。

ご依頼の箇所は複数ありますので、一度に全てを記事にすることは難しいですから、今回はダブルハングサッシの交換建具についてご紹介します。

今回交換することになった原因は、ハード(Hurd)製窓のペアガラスが内部結露を起こして曇ってしまったというものでした。

ハードの場合、ガラスを建具(障子)から外して交換するということは出来ないですから、ガラスが挿入された建具ごと交換する以外にありません。

ただ、上げ下げ窓のうちどちらか片方の建具に不具合があったとしても、ハード社のダブルハングは建具の仕様(デザイン)が変わっている為、既存の窓枠に合う建具を作ってもらうにしても、上窓と下窓の両方を交換することが必要となります。

また、建具を吊って開閉をサポートしてくれるバランサーも従来とは異なりますから、窓枠の両サイドにあるジャムライナーというレール部材も一緒に交換しなければなりません。

そういう意味では、木製の窓枠以外は全て中身を交換するということになり、交換作業も結構な手間が掛かります。

そういった交換作業についてはまた今後記事にしていくことになりますが、その前段階で建具木部の防水塗装(2度塗り)やペアガラスや建具枠に雨が入り込まないように防水処理をしてやる必要があります。

(メーカーから入荷した時点では、室内側の木部は無塗装ですし、製造時に行われたアメリカ人の防水処理は大雑把で雨漏れのリスクがあります)

事前作業は現場で行うよりも会社内で丁寧に実施する方が、施工精度も上がりますし、現場作業の省力化も図れますから持ち込む前にやっておくことが重要です。

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コーティング材が剥がれている?

以前から問題の認識があったのですが、窓メーカーからはこの補修について何ら対策方法の回答がなかった問題をお客様からご相談頂きました。

それは、マーヴィン(Marvin)社のインテグリティ(Integrity)シリーズに於ける外装劣化の問題です。

インテグリティは、従来のアルミの外装ではなく、グラスファイバーを樹脂で固めて外装枠を形成しています。

アルミカバーがされた木製枠と比べて、成型がしやすいことや軽いこと、気温の変化による材料の伸縮や狂いが少ないこと、何よりその分価格が安いことが特徴でした。

ですから、アルミクラッドサッシに代わって、急速にマーヴィンの主力商品になっていったというのが実情です。

でも、新築から10年くらい経ったサッシ、で写真のように表面材が剥がれたという報告・相談が私共にも寄せられるようになりました。

メーカーに相談しても特に補修する方法について回答がないという状況で、私共も塗装をし直す以外に方法がないというのが結論でした。

ただ、薄い塗膜が剥がれたという問題ではなく、グラスファイバーの枠材の上に張られた表面コーティングを含めて剥がれているという状態であることから、コーティングそのものも直さないといけないのではないかと考えています。

マーヴィンが日本から撤退した今、メーカーや代理店がこうした問題に正面から対峙してくれるように思えないのですが、私たちが何等かの方策を手探りでも見出す必要があると思っています。

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鍵は調子が変だと感じたら、交換しましょう

先日、掃出しサッシ(スライディンパティオドア)のウェザーストリップ(気密パッキン材)を交換した名古屋市の輸入住宅。

その際に他にもいろいろ不具合があるので見て欲しいと言われたことの1つが、こちら。

マーヴィン(Marvin)の掃出しサッシの鍵の掛かりが、少しおかしくなってきたというものでした。

ロックレバーを操作する際、鍵爪(ロックラッチ)がうまく出たり出なかったり。ロックレバーを何度か動かしてみると、ラッチがブラブラしているのがよく分かります。

通常は、小さなバネがラッチの動作を制御していますので、素早くカチッとラッチが定位置に移動する感じですが、その制御が利いていない様子です。

恐らく内蔵されているバネが経年劣化をして、飛んでしまったか切れてしまったかという状態だと思います。

ラッチが動いてくれるうちは何とかなるのですが、そのうちレバーを操作しても全くロックラッチが反応してくれなくなると問題です。

鍵が掛かったままドアが開けられなくなったり、逆にドアをロック出来なくなったりしますから、生活に大きな支障が出てしまうと思います。

こうしたロックケースは、どの輸入サッシ・メーカーでも使われている汎用部品であることが多いですから、今後も調達には心配要りません。

ただ、輸入経費や調達時間が少々掛かりますので、値上がりや円安が進む前に、また破損が進行する前に手配をしておきたいものです。

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これからのメンテナンスをどう考えるのか?

山梨県のお客様から輸入の掃出しサッシ(スライディンパティオドア)のロックレバーが欠損してしまったので、部品を調達したいという相談がありました。

窓メーカーがどこかは分からないのですが、写真を見る限りロックレバーやドアハンドルの入手は可能なものでした。

ただ、アメリカからの調達となると、思った以上に費用が掛かります。

まずアメリカは徐々にインフレが進んできていますが、日本は30年近くデフレの状態が続き、昔と比べると価格差が倍以上になっています。

そして、30年前は1ドル80円程度だった為替レートが、今や147円にまでなっていますから、やはり円の価値も半分程度になっています。つまり、この段階で30年前と比べて日本での価格が4倍にもなっているということを計算しなければいけません。

それに加えて、アメリカからの輸送コストやアメリカの仲介業者の手数料といったものを考えると、例え小さなロックレバーと云えども日本への輸入価格は万単位になる状況です。

ただ、日本人は井の中の蛙ですから、世界の常識から相当ずれた考えをしているようで、未だに1,000円もしないくらいで手に入ると思っているのが実情です。(ある意味受注生産品ということも、分かっていないと思います)

ですから、今回のお客様も見積価格にビックリして、購入をキャンセルしたいという連絡を頂きました。まあ気持ちはよく分かりますが、今後の家の修理やメンテナンスを考えた時高いなら直さないという選択肢が可能なのでしょうか。

それとも、安い価格で提供してくれる会社が他にあると考えるのでしょうか。

昨今、輸入サッシやドアを販売していたいくつかの商社も、販売やサービスからの撤退を表明しています。(数日前、高級輸入サッシのローウェン(Loewen)の国内販売の代理店をしていた処も、サービスからの撤退を表明しました)

私たちだって、いつまで輸入住宅のサポートを続けられるかは分かりません。価格よりも何よりも、まずは修理・メンテナンスが出来る時にちゃんと直してくれる人間がいるということに感謝する気持ちが大切です。

その上で無理な操作をしたり不具合を放置したりせず、早めに調整や手直しを行うように心掛けることをするべきです。

輸入住宅は安いという時代ではありません。新築よりもその後の維持管理にはお金と相当の覚悟が必要だということを覚えておいて下さい。

その為にはまず専門知識のある輸入住宅ビルダーと信頼関係を築き、その関係を長く続けていくことがキーになるような気がします。皆さん、茹でガエルになってはいないですか?

<関連記事>: ホットドック1800円「具材ナニツカッテンノヨ」米国の物価高への嘆きに驚きの声 (2023年9月10日)

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網戸が外れ掛かっていませんか?

埼玉県のお客様から輸入サッシの網戸を窓に固定する部品が欲しいというお問い合わせを頂きました。

サッシのメーカー名はよく分からないようですが、欲しい部材の写真を送って頂きました。

写真にある網戸を固定するピンは、プラスチック製のツマミの部分が、シャフトから少し外れ掛かっているような印象を受けます。

このツマミの部分は、太陽の光に一番よく当たる部分ですから、紫外線による経年劣化が最も進む箇所でもあります。

よくシャフトは丈夫なアルミ製がいいとおっしゃる方もいらっしゃいますが、ご覧のようにシャフトは網戸のフレーム内に隠れてしまっているので、殆ど劣化することはありません。

ですから、私たちは取付けがしやすくて、ツマミも外れにくい樹脂製のシャフトを使ったスクリーンピンをお勧めしています。

ただ、樹脂製のシャフトのものは、マーヴィン(Marvin)等の輸入サッシ・メーカーでの取り扱いが終了していますので、私たちが在庫で持っているものが最後です。

そういう点では貴重な在庫ですが、多少取付けが固くてもアルミシャフトの網戸ピンはまだ手に入りますから、交換部品で心配することはありません。

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鋳物なので欠損します

昨日、マーヴィン(Marvin)製スライディンパティオドア(掃出しサッシ)のウェザーストリップを交換したという記事を書かせて頂きましたが、今日はその際に追加でご相談頂いた網戸のロック受け。

マーヴィンの網戸には、取っ手部分に簡単な鍵が付いているのですが、その鍵をドア枠にロックする為に鉄製鋳物の受け金物が付いています。

鍵の爪を引っ掛けるだけの小さなロック受けですから、長年風雨に曝されることで、錆びなどの劣化で割れて欠損することがよくあります。

輸入の掃出しサッシには、網戸に鍵が付属しているタイプと鍵のないタイプがありますが、多少の防犯効果が期待出来ることから、鍵付きの網戸は重宝されます。

ただ、せっかくの鍵付き網戸でも、こうしてロック受けが破損していたり、新築時に住宅メーカーが受けを付け忘れたりして、鍵が掛けられない状況にあるものも少なくありません。

マーヴィンに限らずどこの窓メーカーの網戸でも、ロックの受け金物は交換や後付けも可能ですから、もしもの際は是非取り寄せをお願いして頂きたいと思います。

<関連記事>: 先が折れるとロック出来ない (2023年10月15日)

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雨や外気の侵入を抑えるウェザーストリップ

今日は暑い中、掃出しサッシのウェザーストリップを交換してきました。

交換したのはマーヴィン(Marvin)製スライディンパティオドアのサイドフレーム(側枠)とアッパーフレーム(上枠)に付いている2種類のウェザーストリップ(気密パッキン材)です。

写真がそのウェザーストリップですが、ドアを屋外側と室内側の両方から挟み込む形で取り付けます。

ウェザーストリップが古くなると、隙間を埋める為のフィンが劣化してウェザーストリップ本体から外れてきてしまいます。気密を保つ為の大切な部分がフィンですから、それがなくなってしまえばウェザーストリップの意味はありません。

ウェザーストリップは、室内の空気を逃がさない役目と外気の侵入を防ぐ役目の他に、台風などの強い雨や風の侵入も抑制します。

ただ、ウェザーストリップには柔軟性が必要な為、素材は弾力性がある塩化ビニールが使われます。この素材は、長く太陽に曝されると可塑剤が抜けて硬くなってしまい、割けたり千切れたりします。

ですから、10~15年程度で定期的に交換する必要があるのです。マーヴィンは既に日本市場から撤退しましたが、こうした部材は部材メーカーから直接輸入することは可能です。

また他の輸入サッシ・メーカーでも同様のウェザーストリップが使われていますが、交換部材の調達ルートがある私たちなら、手に入れることは問題ありません。

台風シーズンを前にして、一度皆さんのおうちもウェザーストリップを点検してみては如何でしょうか?

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バネでサッシュを持ち上げます

OEMで輸入サッシの製造をしてきたクレトイシ。

最近は、それらの技術を踏襲しながら、自社ブランド「モンタージュ」で製造販売を続けています。

今回お客様から浴室の窓として設置したクレトイシのシングルハングのコイルバランサーが破損して、窓を開けられなくなったというご相談を頂き、交換用の部材を調達しました。

写真がその部品ですが、ステンレスで出来たゼンマイ式のバネが2つ。バランサーは窓枠の左右両袖に装着されていますから、2個を同時に交換しないと意味はありません。

このバネは非常に強力で、その巻き取りの力を利用して重い可動建具(障子又はサッシュ)を上げ下げします。

この部品だけなら修理は大したことはないと思われるかも知れませんが、窓枠の狭い溝の中に入れるにはそれなりの技術と専用の工具が必要となります。次回はこれに交換した窓の様子をご覧に入れたいと思いますので、乞うご期待。

<関連記事>: 窓の大きさで違ってきます (2023年8月1日)
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