光を考える
色彩は、あなたを素敵な気持ちにさせてくれ、生活空間を引き立ててくれます。光と色彩をより適切にお使い頂くことで、パラペイントは貴方の住宅を住まいに変えるお手伝いをいたします。私たちは、光を抜きにした色彩はあり得ない、と考えます。
光の条件によるいろいろな捉え方
元々色彩というものはいたるところにあり、どれも変えることができ、私たちがそれを決めています。ですから、「醜い色」などというものはありません。しかし、色彩の間違った使い方をすると、誰の目にも魅力のないものとなってしまいます。さて、あなたはご自分の部屋を考える時、どこから始めますか? きちんとしたフロアプランがあれば、部屋のすべての要素を検討するのに役立ちますので、まずは床の上から始めましょう。適切なプランニングをすれば、費用面での失敗を防ぐことができるのです。
最初に、ソファなどの家具は、なにも壁に向かって並べるばかりではないのだということを頭にとどめておいてください。部屋であなたの一番お気に入りの地点(場所)、部屋のいわば重心となるようなところを見定め、家具をその周りに配置します。そう、心地よく会話ができるような配置を創りだしましょう。冬であれば暖炉のまわりに、夏であれば見晴らしのよい窓辺のまわりの配置がよいのかも知れませんね。
部屋のスペースの使い方が決まったら、次は光(照明)のプランです。部屋の中で、色がどのように変化するのかをまず見ます。昼間の自然光の場合、そして夜の照明器具による光の場合を見ておく必要があります。ペイントの色や布地の色はときに劇的に変わることがあります。これをメタメリズムと呼び、ひとつの色の性格が異なる光源のもとでは別のもののように見え方が変わることを意味します。違う色だったものが、ある場面では全く同じに見えることもあるのです。
太陽光は、日の出の時と日の入りの時では暖かく感じられますが、昼間は涼しく感じられます。照明の人工的な光の場合、青い傾向が強くなれば涼しく、赤みがかかれば暖かい感じに向かいます。白熱電球は暖かみがあり引き立つような感じがありますが、一方蛍光灯の場合は通常涼しく感じる方の波長へ向かい、くっきりとした光でありながら影が薄くなることも覚えておきましょう。ハロゲンライトの光源には強い青の波長があり、これは白やグレー、青を強める方へ作用します。また、ハロゲンランプは、調光器を使用すれば黄色系の光にもなります。ろうそくや暖炉の光は、「燃焼光源」と呼ばれ、暖かい感じを出すのにとてもよく使われます。
3つのレベルの照明を使い、好みに合ったお部屋の雰囲気を創りましょう。
お部屋の照明のバランスをよくするためには、以下の3つの光が必要です。これら3つのレベルの照明を使ってあなたのお部屋の雰囲気を創り、好みに合うようにデザインしましょう。
1. 基本照明 - 天井からの光。全体照明。
2. 二次照明 - 用途で選ぶ照明。読書灯、キッチンキャビネットの照明など。
3. 雰囲気を出すための照明 - 床からの照明など。これらの照明は、木の後ろに置いて敢えて影を創りだすことによって神秘的な雰囲気を醸し出すこともできます。
よい照明は、何らの差し障りや違和感もなくその空間にいきわたります。また、照明によって、部屋のサイズを変えたように見せたり、雰囲気をも変化させ、緊張感をほぐし、頭痛を和らげたりもしてくれます。
色彩を考えるに当たって
今度は、色彩をあなたのフロアプランに追加し、検討してみましょう。全ての虹が同じではないように、私たちが見る色彩もみな同じというわけではありません。私たちが「色彩を見る」ということは、自分の脳がそれを「どう解釈したか」ということです。
科学者がいかに正確に色や光を測定したとしても、それはあなたには関係のないことです。最終的にはあなたの目と頭が決めます。ですから、誰もが異なったそれぞれの見方をしていると言えます。
色彩を考えていくために
色彩を考える時に、あなたが自問自答しなくてはいけないこと、それは次のようなことです。
・部屋にいる時、どのように感じていたいか?
・そこに選んだ色は、家の残りの部分に対してもおかしくないだろうか?
・今何が流行っているのだろうか、流行を取り入れたいのか?
・この色は、いずれ飽きがくるのではないか?
・もしいやになってしまったら、どうしよう? ...などなど。
間違った色、あるいは嫌いな色ほど素早く感情に訴えてきますから、気になって仕方ありません。暖かい、日当り、幸福感、居心地がよい、安全、もしこれらを使用後の感覚とするならば、暖色系の色がそのような感覚を提供するでしょう。それらの色は、黄色、オレンジ色、赤、紫、茶色、そしてクリ―ム色の仲間です。
暖かい色は、実際に部屋を視覚的に小さく、そして暖かくみせる傾向があります。そうした色では、壁や床、天井、家具類が膨張して、自身に迫ってくる感覚を抱くのです。北向きの部屋、あるいは東向きの部屋では暖かい色が功を奏しますが、南向きや西向きの部屋では、少々暑いと感じられる場合もあるでしょう。
木目も色彩と同じです。もし木目のインテリアやキッチンキャビネットの木目に飽きてきたなら、暖かい色遣いがそれを和らげてくれますので、あまり気にならなくなるように作用します。
また、もしあなたが、エレガントで、洗練された、そしてリッチで且つ大きな空間に住んでいるような気分を味わいたいのなら、寒色系の色の組み合わせがそのような感じを創り出すでしょう。青、緑、黒、グレー、そして白は、空間を広げ、木目の見栄えを引き立たせ、部屋をエレガントに見せてくれるはずです。
三つの色のカテゴリー・バランス
一つの部屋において、色は三つのカテゴリーに分けることができます。
1) 主色-部屋のおよそ70%を占める色 - たとえば、メインの壁の色などがそれにあたります。
2) 二次色-およそ25%を占める色 - この色は家具やキャビネットなどの大物の色です。
3) アクセント-およそ5%を占める色
なお、調和のとれた色彩配置を行った場合、色同士の競合は起きません。よい色遣いはバランスがとれており、流れるようであって込み合うようなことがありません。もしあなたが派手でコントラストの強い、あるいはショッキングな色を選択したならば、早く飽きてしまうでしょう。そのような強く派手な色は、普段使いしないような部屋には有効です。
リフォーム(リノベーション)などで部屋の模様替えを行う場合は、まずご自分のフロアプランがきちんとできて、そしてそこに使う色の選択がなされてからにします。その時点で模様替えの作業を進めていきましょう。
パニックになったり、不安になったりする必要はありません。あなたにはすでにプランがあり、それを通してちゃんと検討がなされています。模様替えが中途の状態の部屋は、衣装を半分着替えたままの状態と同じです。最後まで仕上げて楽しみましょう。あなたは不安に感じているかも知れませんが、もし自信をなくしてしまったら、その部屋が完成することはありません。
いい感じ(趣き)の定義は、「デザインされた全ての要素が、調和した感覚を創りだすように作用している時」ではないでしょうか。ご自分の部屋に素敵なデザインを創り出した時、その部屋であなたはより幸福に、そして居心地よく暮らしていけることでしょう。
色彩は、どこにでもあります。色彩でリラックスし、色彩を理解し、そして色彩を駆使しましょう。パラを塗ったドライウォールが、そのお手伝いをします。
こうした私たちの考えや建築に共感され、施工を希望される方は、ご相談下さい。
<関連記事>: 壁照明の光で遊ぶ (2014年5月9日)
<関連記事>: 色は、遠近感をも表現する (2014年3月24日)
<関連記事>: 色は、性能 (2014年1月9日)
<関連記事>: あふれる選択肢:あなたはどう選ぶか? (2013年8月19日)
<関連記事>: Margot Austin’s P.E.I. Cottage (2013年7月24日)
(写真:カナダ Neptune社Bath If you read this in English, Colour & Lighting decisions by PARA PAINTS)
※ この「お知らせ」ページは、「カテゴリー」や「タグ」のキーワードをクリックすることによって、興味のある関連記事を検索頂けます。どうぞご活用下さい。尚、写真及び記事の著作権は、当社に帰属します。無断での転載・引用はご遠慮下さい。